本革や合皮の特徴と扱う際の注意点について
本革や合皮の特徴と扱う際の注意点について
この記事を読むための時間:3分
本革は頑丈で長持ちする生地として古くから世界中で活用されていました。
その一方で作るのに手間がかかることから、多くの革製品は販売価格が高額に設定されています。
そのため、近年では外観を本革に似せている安価な合皮製品が広く普及しています。
その一方で合皮製品ならではの欠点もあるので注意しなければいけません。
長く使い続けるためにも本革と合皮の違いや正しい扱い方について学びましょう。
本革の定義について
本革は動物の皮膚だけで作られた生地です。
革製品の原料として用いられる動物は牛や豚など家畜として飼育されている品種の他、蛇やワニも含まれています。
本革という言葉は合皮の対義語として近年になって生じた造語です。
合皮の特徴や作り方
合皮は合成皮革の略称であり、本革に似せた質感で仕上げた生地です。
綿や麻、化学繊維などで作られた生地に樹脂によるコーティングを施した物が合皮と呼ばれます。
外観が本革に似ている一方で安価なことから、本革の代用品として急速に普及しました。
合皮はコーティングに用いる合成樹脂の性質で質感が大きく変わることから、同じ合皮でもその仕上がりに違いが生じます。
下地になる生地に樹脂を塗布して乾燥させるのが合皮の基本的な作り方ですが、樹脂を沁み込ませた繊維で生地を作る方法や、樹脂の固まりを削って本革のような形状に仕上げる方法もあります。
本革と合皮の違いの詳細
本革と合皮の違いは様々ですが、中でも摩擦や熱への耐久性の差は非常に大きいのが特徴です。
本革は耐久性が高く、丁寧に作られた高級品なら力任せに擦ってもほとんど摩耗しません。
また、熱せられた金属に触れても短時間であれば発火しません。
湿気にやや弱く、水に濡れると生地が固くなる欠点はありますが、丁寧に手入れを施せば約10年は劣化しないとされています。
また、本革は生地の内部がぎっしりと詰まっているので薄手の作りでも重たくなるのです。
合皮の特徴や欠点は本革とほぼ反対と言えます。
生地をコーティングしている樹脂は水を弾く性質があるので清潔に保つのが容易な他、非常に軽量なのも合皮ならではの利点です。
その反面、合皮は摩擦に弱い欠点があります。
少し擦っただけで生地の表面に傷が生じることも珍しくありません。
また、熱にも弱く、安価な合皮製品なら熱湯に触れると縮んでしまいます。
燃えやすいので絶対に火に近づけてはいけません。
本革が適している製品について
本革は頑丈で長持ちする生地なので古くから様々な製品に使われていました。
使えば使うほど色合いに深みが増し、落ち着いた雰囲気が醸し出されるのが本革の特徴です。
そのため、高級な衣類や装飾品の素材として重宝されています。
また、熱に強い性質を利用して耐火性の高い防護服にも使われているのです。
合皮を素材として使うのに適している製品の詳細
合皮は本革よりも安価なうえに量産が可能なことから、インテリア用品や自動車のシートなどの工業製品の素材として多用されています。
水に弾く性質を利用して、高級感のある防水シートとして使われることも珍しくありません。
合皮は摩擦や熱に弱いので過酷な環境での使用には不向きですが、軽量で裁断が容易なことから手芸や子供の工作の素材に使うことが可能です。
本革と合皮の見分け方
合皮を作る技術が進んだことにより、見た目だけでは本革と合皮を区別するのは非常に難しくなっています。
それでも本革と合皮には決定的な違いがあるので、その点を確認することで見分けることが可能です。
最大の違いは生地から生じる臭気です。
本革は防腐剤として使われている薬品が揮発することでかすかに特有の臭気が生じています。
それに対して合皮は基本的に無臭です。
稀にゴムが焦げたような臭気を放っている物もありますが、これは生地をコーティングしている樹脂が劣化したためです。
また、合皮の樹脂は劣化すると溶解して粘り気が生じます。
触ると樹脂が剥がれて手に付着することもありますが、本革はそのような状態にはなりません。
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