本革のエイジングを楽しもう
本革のエイジングを楽しもう
この記事を読むための時間:5分
本革の財布などを利用する人の中にはエイジングを楽しみたいから本革を選んでいるという人も少なくありません。
しかし、上手くエイジングさせるのが難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。
ここではエイジングとはそもそも何なのかという基本のところから、早く、美しく変化させる方法まで本革のエイジングについて詳しく紹介していきます。
本革製品におけるエイジングとは?
エイジングという言葉を聞いてどのようなことを想像するかは人によって様々でしょう。
人間でいえば老化を指しますのでエイジングケアをして若々しく保つという人が多いですし、牛肉などであればエイジングすることによってアミノ酸が増して美味しくなります。
他にもイヤホンやお酒などを思い浮かべる人もいるかもしれません。
人間で言えばネガティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、牛肉などはそれが売りになっています。
では、本革製品におけるエイジングとは一体どのような現象を指すのでしょうか。
本革製品におけるエイジングとは使用を続けることによって得られる変化全般のことを指します。
具体的には色やツヤ、なめらかさなどが挙げられます。
これらの変化によって新品にはない自分だけの本革製品が出来上がるので、エイジングを楽しむ人が多いのです。
エイジングを楽しめる革と楽しめない革
同じ革製品であってもエイジングを楽しめる革とエイジングを楽しむことができない革があります。
したがって、エイジングを楽しむためにはエイジング出来るものを選ばなければなりません。
エイジングできる革とはどういった革かですが、まずは当たり前ですが本革であるということです。
合皮製品ではエイジングを楽しむことができませんので注意しましょう。
次になめしがタンニンなめしであるということです。
タンニンなめしのタンニンとは、渋柿や赤ワインなどの渋みの成分として知られています。
なめしとは動物の皮を製品化しやすいように革に変化させる工程で、皮に柔らかさやしなやかさを与えてくれます。
なめしにはクロムなめしというものもありますが、クロムなめしの方ではエイジングを楽しむことができません。
エイジングによって得られる深みのある色の変化はタンニンの酸化などが大きな影響を与えているのです。
タンニンなめしされた革は水分を吸収しやすいので形が変化しやすく、汚れやすいという特徴もあります。
ただし、エイジングを楽しめる革はオイルをたっぷり染み込ませているオイルレザーが多いので、きちんと手入れしていれば油に弾かれてすぐに水が染み込むことはありません。
エイジングを楽しめる革はタンニンなめしだけではなく、染料仕上げである必要もあります。
染料仕上げとは水溶性の染料を使用して革に染料を染み込ませて染みあげるという方法です。
タンニンなめしされた革の特徴である水分を吸収しやすいという特性がここで活きてきます。
染料仕上げ以外には顔料仕上げがありますが、顔料は水に溶けにくいためエイジングを楽しむことはできません。
顔料でコーティングする形になるため、色落ちなどはしにくいです。
他にもエンボス加工されている革製品はエイジングを楽しむことができません。
エイジングをさせるには
エイジングを楽しむには本革でタンニンなめしのオイルレザーorヌメ革の製品がベストですが、エイジングさせるにはどのようにすれば良いのかわからないという人も多いでしょう。
エイジング方法がわからず、エイジングは難しいと思い込んでいる人も少なくありません。
しかし、エイジングはそれほど難しいことではなく誰でも行うことが可能です。
まずはエイジングさせたい革製品を使ってあげるということです。
財布なりバッグなりを使うということは、その革製品を触るということなので手の油分が革に移りツヤなどを引き出してくれます。
財布ならまだしも、毎日は使えないという大きなバッグなどもあるかもしれません。
それでも定期的に使ってあげることで徐々に変化を楽しめます。
エイジングの方法は使ってあげるだけです。
毎日使って革を乾燥させなければエイジングはしていきます。
もちろん、より早くきれいにということであればしっかりとしたメンテナンスが必要ですが、それほどこだわらないで自然の成り行きのままにエイジングさせたいということであれば、手の脂や鼻の脂などを付けるだけのケアという人も多いです。
きれいにエイジングさせるための定期的なメンテナンス
エイジングをきれいにさせるためには定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスの方法ですが、まずは馬毛ブラシを使ってブラッシングしてあげましょう。
ステッチ部分や段差などにホコリが溜まりやすいのでそういった部分は特に念入りにブラッシングしてホコリを取り除いていきます。
次にタオルなど柔らかい布を水に浸して固く絞り、汚れを落としていきます。
この時に出来る限り水分を絞らないとシミになったりするので固く絞り、目立たない部分で試してから拭くようにすると安心です。
水拭きをしたらすぐに乾いた布などを使用して乾拭きしてあげましょう。
乾拭きが終わったらクリームを塗っていきます。
使用するクリームは革用のクリームを使用するようにします。
動物製油脂の方が浸透しやすいですが、革用となっているものであれば特に問題はありません。
大量に塗る必要はありませんので、お財布であれば小豆大程度も使えば十分です。
指やブラシを使用して薄く全体に伸ばしていきます。
乾燥が激しい場合は指で塗った方が体温によってオイルが温まるため浸透しやすくなります。
クリームを塗ったら再びブラッシングをして均一に伸ばしていきます。
この時にクリームが溜まっている部分があったりすると汚れが付きやすかったりするので注意しましょう。
1晩置くと革が曇った状態になっているので再びブラッシングをしていくとブラッシングしたところからツヤが出てきますので全体的にシャカシャカとかけてあげれば完了です。
頻度としては3ヶ月に1回程度で十分でしょう。
エイジングをスピーディーに行うには
買ったばかりの製品などでエイジングをスピーディーに行いたいという場合ですが、日光浴をさせてあげるとスピーディーにエイジングが進みます。
日光浴の方法は、クリームを塗って窓辺や日陰で数日から1週間程度行う工程を2回から3回程度繰り返してあげます。
強い直射日光を当ててしまうと革が傷んでしまいますので注意が必要です。
また、蜜蝋入りのクリームを使用すると艶出し効果だけでなく深みのある色が出やすいです。
日光浴させると革が乾燥することがありますので、必要に応じてクリームを塗ってあげることを忘れないようにしましょう。
日光浴期間が終わったら乾拭きとブラッシングをして使うようにしてあげればOKです。
最初にしっかりクリームを塗っておくと、その後のケアも楽になりますのでエイジングが早くなる以外にもメリットはあります。
エイジングに失敗してしまったら
エイジングに失敗してしまったという場合にはもう取り返しがつかないのかと言えばそんなことはありません。
直射日光を当ててしまったり、革を乾燥させてしまった場合には革に栄養と保湿のためのクリームを塗ってあげましょう。
乾燥しているからと大量に塗るのではなく、薄く塗って足りないようであれば重ね塗りするようにしてあげることが大切です。
定期的なメンテナンス方法をより丁寧に行っていくイメージを持つとわかりやすいのではないでしょうか。
クリームなどを塗りすぎてシミや色ムラが出来てしまった場合は、水に浸して固く絞った布でシミになってしまった部分をポンポンと叩きます。
叩くことによって余分なクリームが取り除かれていくのでシミや色ムラが薄くなっていきます。
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